戦前型のローライフレックスが好き。
古いものだと90年前の物ながら、初期の二眼レフながらカメラとして非常に完成度が高く、古いものだと90年前の物ながら今でも十分に使えるカメラです。
何よりデザインが最高。
良い状態の物を見かけると既に同じものを持っていても欲しくなるほどです。
素敵な付属品が付いていれば尚更。
気づけば大量の戦前ローライが家に並んでいる事に。
記事も何度か書いています。
Rolleiflex Standard
Rolleiflex 4x4(410)
Rolleiflex Original
どれも大好きなカメラです。
最近再び二眼レフを使いたい熱が高まってきており、手持ちの戦前ローライを引っ張り出してきています。
そんなわけで、私のお気に入りの戦前ローライを新たに紹介してみようかと。
今回はRolleiflex Standardの初期型、開放F値が4.5のTessarが搭載されているモデルです。
Rolleiflex Standard / Tessar 7.5cm F4.5
はい、またスタンダードです。
基本的には以前紹介したF3.5付きのモデルと同じですが、若干仕様が異なります。
F4.5のTessar。前玉が小さいのがポイント。
シャッターも最高速度1/300のCompur。(F3.5モデルは1/500のCompur Rapid)
最高速度の次が1/100なので基本1/100を使うことになる。*1
ピントノブのローレットが綾目。
世代によって脇の部分に張り革があったりと時期によって仕様が違う模様。
また、ストラップを通す金具に裏蓋を外れにくくするロック機構が付いていません。
ストラップ金具は同じ初期型でもロック機構がある場合も有ったり等、徐々に改良されていくのが見えたりするのも戦前ローライの楽しいところの一つです。


裏蓋に2か所の赤窓。
背面の赤窓には”B1 Film 6x6”の記載。底面の方には”B2 Film 6x9”。
B1は117フィルム、B2は120フィルムの事。
2種類のフィルムに対応しており、6x9用の117フィルムで6枚撮り、120フィルムで12枚撮りとなります。
Rolleiflex Originalでは基本的に117のみ対応、Standardの後期型は120のみなので過渡期の仕様と言えるのではと。
現在では117フィルムは絶滅しており、スプールもまず手に入らないので、現在おいて実用的なのは120が使えるスタンダードからでしょう。
当時は120フィルムの裏紙には6x6用の数字が無かったので6x9用の数字を底部の赤窓に出して使用。今のフィルムは6x6用も6x9用もどちらも対応しているので、どちらの赤窓を使っても良いのですが、個人的には背面の方をお勧めします。*2
F3.5テッサー付きの後期型は120フィルム専用になった為、背面の赤窓は廃止、底部の実になります。


その赤窓をふさぐキャップ。
戦前ベビーローライにも使用されていますが、今となっては大半の個体で欠品してしまっています。付属している場合はそれを目当てに入手するのも有りだと思います。
単品で売っている事はまずないですが、稀にオークション等で金属製の互換品を出品している方がいらっしゃるので、こまめにチェックすると良いかもしれません。
私も購入してみましたが大変出来が良かったです。見かけたら是非お勧めです。
実用までの道。
このスタンダードは某店で見つけて購入したもの。
お店で購入ということで油断していたのですが、ピントがどうも甘く難儀しました。
9割後ピンでたまに合っているくらいの打率。
数本撮ってから現像を何度か繰り返し、一度調整に出してもあまり改善せず。
中近距離がことごとく後ピンなので当然どの写真もイマイチなのが結構辛かったです。
最終的にダメ元で自分で調整を試み、ようやく改善となりました。*3
かなりのフィルムを無駄にしましたが、ようやく実用レベルになったのでした。
4.5 Tessarで撮る春。
丁度季節は春。
ピントがしっかり合うようになったことが嬉しくて撮りまくりました。
丁度自家現像を始めた事も重なり捗る捗る。
このところSNSに只管モノクロな戦前ローライ写真を投稿していたのはこんな事情でした。
基本的にはSNSに上げた内容と同じです。
モノクロで春。如何でしょうか?
近距離テストの一枚。
木の幹にバッチリピントが来ていてうれしくなりました。
幹のボコボコ感が良く出てくれています。
ある程度絞っているけど、前はこんなのでも外していたのよ・・・。
ペンペン草。
このテクスチャーが好きで今年は良く撮りました。
しっかり解像している。ありがたや・・・。
寄ってもちゃんとピントが来るのは気持ちがいい。
ネガを初めて確認した時は本当に嬉しかった。
今まで何だったのかというレベル。
ピントが合わないのは腕の問題もあると思うので、カメラ側の問題と判断しづらかったのですよね。
どうしてもピントが合わなくて使わなくなってしまって居るカメラが他にも何台か有るので、再チェックしてみよう。
近所のさくら。
毎年撮っているけどなかなか決まらない。
色依存な被写体だと思うのでモノクロだとさらに難しいなと思う。
部分を切り取るとかの方が良いのでしょうか。
オトメツバキ。
決まった。この描写好き。
白っぽい花はモノクロ映えするのよね。
ローライ純正ソフトフィルター「DUTE1」を使ってみました。
程よい効果で素敵。白い花との相性はばっちりですね。
ポートレートとかも撮ってみたい気がします。
フィルター面の円周状のパターンでソフト効果を得ている模様。
こういうタイプのソフトフィルターをデュートというらしい。
知りませんでいた・・・。
左隅背景のボケに影響が出ていておもしろい。
柳の新緑は好き。
野川の桜。
この桜も今年は良く撮った。
構図的には好き。
あと一歩欲しいのよね。
デジタル化の調整もあるかなぁ。
新緑の木。
新緑も色依存な被写体のように思いますが、雰囲気は出てくれたのではないでしょうか。
周辺までちゃんと描写されているのが嬉しいね。
F4.5 Tessarは性能が高いけどギチギチしないのがほんと良い。
新緑とダイコンバナ。
色が無いのでダイコンバナがただの草になってしまっているけど、光の雰囲気が出ていて好き。
フレアっぽくなりにくいのかも。
寄っている写真はクローズアップレンズ”Proxar2”を使っています。
これを使えば二眼レフでも、ある程度は近接をこなせるのですよ。
曇りとはいえ逆光気味なのだけど、キッチリ写ってくれた。
F4.5Tessar、凄く安定した写りだと思う。
開放を無理していないからかでしょうか。
レンズコンディションも良い部類だと思うのでその辺りも効いているのでしょう。
手持ちの中ではモノクロで撮るならコレだと思いました。
あとアレですね。
幾らいいレンズでもピントが安定しないとダメですね。
安定した状態でまとまった撮影が出来たことでようやく良さが分かったように思います。
テストという意味の撮影はようやくひと段落出来そうです。
そういえば同じ初期型Rolleiflex standard にはF3.8テッサー付きも有るのよね。
そっちの描写も気になる。
あと初期型コードのTriotarも。
私に違いは分からないかもしれませんが。
少なくともある程度連続して使わないと違いなんて分かるはずもないのですが。
実は既にカメラ自体は有るので、調整やら試写やらを繰り返しつつ楽しもうと思います。
こんな感じでいつか記事を書いてみたいと思っています。
*1:レンズシャッターの最高速度は負荷がかかるので使わない方が良い模様。
因みにCompur Rapidは1/500の次に1/250が使えるので流石に後期型の方が便利。
*2:背面赤窓の利点とは
背面の赤窓は裏紙の中央部分にあり、圧板にも空いた穴を介してフィルム裏紙を見ています。
構造上フィルムの裏紙と圧板が密着しているので脇に光が回り込みにくく、光線引きが発生しにくいようです。
また普段は確認の必要は有りませんが、6x6の裏紙番号が見えるのでフィルム送り状況もここから確認できるの地味に安心材料。
うっかりカウンターリセットをし忘れても赤窓運用で対応することが出来ます。
私は底部の方の窓は使わないのでキャップの上から更にテープを貼ってふさいでいます。
*3:スタンダードはビューレンズ脇のビズを緩めるとビューレンズを調整できるようになるのです。
その状態でピントグラス上に高倍率のルーペを置いて遠くの塔がキッチリピントが来るように調整しました。
テイクレンズ側が合っているのが前提ですが、意外に簡単に出来るのもスタンダードの利点でしょうか。