元祖高級コンパクトカメラ。
そして、小さくてかわいいカメラです。
ローライ好きとしては、ずっと気になっているものの、ピントは目測、露出はフルマニュアルという仕様から購入二の足を踏んでいました。
私の中でいつかは欲しいけど今ではない、そういうカテゴリーに入っているカメラ。*1
仕様を問わなければ特に珍しくもなく、買おうと思えば割といつでも買えるという所も優先順位が低くなる原因なのかもしれません。
出物のコンディション・資金状況・私のテンションが噛みあわずなかなか購入に至らず購入には至りませんでした。
そんななか、銀座のカメラ市を目的も無しに徘徊していて見つけたのがこの子でした。
Rollei35 Tessar
ドイツ製の初期型!
正面のローライのロゴが独特なのです。
Rollei35を買う時はファインダーブロックがガラス製のドイツ製と決めていました。
中でも初期型は内部機構が少し違うとのこと。そういうのに弱いのですよね。
ただ、滅多に見かけないうえに普通のドイツ製より高いので考えていませんでした。
一旦はその場を離れ昼食をとったものの、やはり気になり購入へ。
外観
正面にシャッターダイヤルと絞りダイヤル。
独特なデザインですね。かわいい。
学生の頃は変な位置に絞り・シャッターダイヤルがあるように感じ、あまり好きではなかったのですが、不思議なものです。
シャッターダイヤル
絞りダイヤル
下側にロックが付いている。
右手でカメラを保持する時に掴む部分なので誤動作防止でしょうか。
よくできているなと。
ファインダー
眼鏡を掛けていても見やすいファインダー。
シンガポール製と比べて対物レンズ側が小さい。
正面から見ると銀色で景色が写り込むのがなんだな楽しい。
ツァイスのテッサー40㎜ F3.5付き。
シュナイダーのクセナー付きやトリオター付きのB35やC35、ゾナー付きのSも存在するんですよね。いろいろ試したくなるやつ。
とても危ない。
とりあえずこの子を使いこなすまで行っていないのでなんとか我慢できていますが。
ピントを調整はレンズ先端部分を回して実施。
ボディ上面
ボディー上面からの眺め。巻き上げノブが左側にあるの特徴。
この状態で撮影距離・絞り・シャッター速度・メーター指針と、撮影に必要なすべてのパラメーターを確認することが出来る。
ここで設定して後はファインダーで構図を決めて撮影するのみ。
非常によく考えて作られていると思う。
設計思想が感じられるというか。
露出計
このサイズでちゃんと絞りとシャッターダイヤルの操作に連動する。赤い針と白い針が重なったところが適正露出。
この個体は残念ながら動作不良です。まあ、古いカメラなので動いていたとしても精度はどれだけ出ているかは分かりませんが・・・。
別途露出計を準備します。
巻き戻しレバー
背面。ファインダー脇のレバーを巻き戻状態にすると巻き上げレバーに干渉し、誤操作を防止するようになっています。巻き戻し状態のまま巻き上げてしまうと、スプロケットが動かずフィルムが送られませんからね。
何気ない所も凄く理にかなった設計になっているように思う。
使ってみないと分からない所ですが、そういうところが痺れます。
底面
巻き上げノブとカウンターが底面に。
クランクの根元が金属なのがうれしい。裏蓋開放ノブの形も小判型で後期型の物とちょっと違う。
フード
このTango Cameraさんのものを愛用しています。
3Dプリンター製。強度が心配でしたが問題ないようです。
何度も脱着していますが今のところ外れやすくなることも有りません。
純正と同様に装着した状態でもピント操作が可能。
サイズは純正角型フードより若干大きめ。
その分効果は高そうです。
窓の方にレンズを向けてシャッターを開きっぱなしにして鏡胴内部を覗いたところ。
左がフード未装着、右が装着。
下側で光っているのがレンズを沈胴させるときのレール。ここに光が当たると盛大にフレアが発生します。直接太陽光が入ってこない環境でこれなので野外で逆光だとかなり強烈な内面反射が発生すると思われます。
この内面反射がこのカメラの最大の弱点かなと思う。
以前簡易的に比較したもの。↑と同様、左がフード未装着、右が装着。
手持ち故構図がズレてしまい厳密とは言えませんが、フレアが大きく軽減されています。
そんなわけで角型フードは個人的には必須かと。
丸型だと肝心の部分がカバーされないので内面反射対策としては不十分な気がします。
露出計
せっかくコンパクトなカメラなので露出計もコンパクトな物を使いたい。
ということで、よく使うのはDIGISIX2*2とKEKSのKM-02*3。共に小さくて邪魔にならないのが良いです。
操作など。
シンプルなカメラなので、注意点は数点ほど。
・レンズを格納状態にするには、フィルムを巻き上げてから。
カメラ上部のロック解除ボタンを推しながらレンズを回すと格納できます。巻き上げない状態では鏡胴が固定されているので沈胴できません。
ちなみにレンズ格納状態ではシャッターが切れないようになっています。本当に良くできていると思います。
・絞り値の変更はロックボタンを押しながら!
押さないでも動いてしまいますが、傷めます。
いずれも力任せに動かそうとしなければ問題ないと思います。
Rollei35で撮った写真たち。
購入してから1年ほどたってしまったので、その間に撮ったものを。
基本的にKodakのGOLD200を装填しています。
Rollei35は最大シャッター速度は1/500。
目測機ゆえ、ほどほどに絞って撮影*4できる感度となると、ISO200位がちょど良いのです。
さて、まずは購入したての頃撮影したもの。
まずは近所を散歩。
野川
この時はフードを付けていなかった気がする。
逆光条件だとフレアが。
流石テッサー。ぴっちり。
水面の表現とか、良い感じ。
こういう離れたものを撮る時はピントはほぼ無限遠で良いので楽。
八王子
目測に慣れておらず、相変わらず中・近距離だとピントが甘い。
仕事カバンに入れて持ち歩いてみたときの写真たち。
カバンの中に入れておいても邪魔にならないので日常に持ち歩くにもってこい。
わざわざ遊びには行かない場所でもちょっとの空き時間に写真が撮れるのは大きいなと。
西日が当たる、廃マンション。
古びたコンクリートの感じが良い感じに出てくれたのではと。
好きな被写体なのでカメラを持っていてよかった。
小金井公園
近接チャレンジ。ひまわり畑に突っ込むイメージで撮影。
ピントは外れ・・・やはり難しい。
雨上がりのアスファルト。ちゃんとそれっぽく写っているなぁ。
咄嗟にパシャリ。
露出を測る時間は無いので、晴天の露出よりちょっと明るめにして撮影。
イメージ通りに撮れていたので嬉しかった。
じっくりとるというより、ある程度割り切ってサッと撮るカメラかなと思う。
小金井
割と最近撮影。
出掛ける時に手に持って目についたモノをパシャパシャ。
だいぶ慣れてきた。
実は近接撮影が余りに外すのでちょっと練習*5しました。
ようやく大きくは外さなくなってきたように思う。
勿論、絞りはある程度絞ることは大前提。
ほぼ最短。
まあ、なんとか?
渋谷
祐天寺
暗所&近接チャレンジ。
さすがに無理がありました。
これ、丁度画面の真上辺りから直射日光が差してくるRollei35には苦手と思われる条件でした。
フレアが発生すると目立つ絵ですが、最小限に抑えられているのではと。
やはりフードの効果って大きいみたいです。
ライカとはまた違った撮影感覚で面白いカメラですね。
とても軽快に撮れました。
露出・ピントを事前に合わせておいてあとはファインダーを覗いてシャッターを切るだけ。
もう、割り切って撮るしかないカメラなので思い切りが良くなりますね。
とはいえ、撮っているものは結局変わらなかったりするんですが・・・。
今後も出番が多そうな気がするカメラです。
*1:他にどんなカメラが有るかというと、
・RolleicordⅤ
・バルナックライカ(DⅢ・ⅢA・ⅢF・ⅢG)
・コンテッサ35
・レチナⅢC
・Nikon NEW FM2
・PENTAX LX
などなど。
リスト化してみると超メジャー級ばかりですね
*2:DIGISIX
入射光・反射光共に使えて便利。EV表示なのでとっつきにくく思えますが、光量の変化が分かりやすく、慣れてくればすごく使いやすいです。精度も安心できるので取りあえず持ち出すならコレ。
*3:KM-02
反射光専用でアクセサリーシューに取り付けられるクリップオンタイプ。
ワンボタンで測光。液晶表示も上下逆転出来るのでローライ35にピッタリ。
先代EM-01は操作系は最高でしたが、精度的に残念でした。(ただし、現在で回っているものはKM-02と同様な受光部になっており、精度は改善されている可能性があります。)
しかしKM-02は普通に使えています。この辺りは長くなるのでまた別の機会に。
*4:ISO200なら晴天時1/500、F8くらい。
400だとさらに一段絞らないといけないので絞りすぎな気がするのです。
*5:練習。
M4で撮影する時に距離を目測で推定、レンジファインダーでピント合わせをしてレンズの距離目盛で答え合わせ、という方法。
自分の癖が分かりますし、暫くやって居ると大体こんなものかな・・・というのが少しず見え来る気がします。