ローライフレックススタンダード。
最近1番気になっていたカメラです。
所謂ローライフレックスというと聞いて思い浮かべるデザインとは異なるデザイン。
佇まいがとてもグッとくるカメラです。
お店でもあまりない上に、あってもなかなか程度の良い物がないのです。
そもそも、昨今お店通いはなかなかできません。
オークション等にはちょこちょこ見かけますが、尚更怖くて手を出せません。
コロナが終わって、カメラや巡りが出来るようにならないと良いものは見つからないかな・・・そう思っていました。
出会いは突然に。
そんな中、ブログの大先輩のとりおたさんから連絡が!
スタンダードを手放されるとの事で、譲っていただけることに。
オークションに出して転売屋さんに買われるよりは分かる方に使ってもらいたいと。
カメラバカの身に余る、光栄な話です。
以前お話しさせてもらった時に、ローライを次買うならスタンダートだ!と話していたことを思えてくださっていたに違いない。有り難い・・・。
そうして、やってきたのがこの子です。
この風格!
ピカピカも良いけど、この使いこまれた感じも格好良い・・・。
このスタンダート、グーグルで「ローライフレックススタンダート 使い方」と調べるととりおたさんのこの記事がトップに表示されるのですが、そこに出てくるカメラそのもの。
すごい・・・この記事にお世話になった方も多いのではないのでしょうか。
そんな大事なカメラを引き継ぐとは身が引き締まる思い。
もちろん、私もこの記事を見て操作を勉強させていただきました。
このロゴが良いの・・・。
3.5テッサー付き!
使い込まれた感じが何とも素敵。
早速試写。
スタンダードのテッサーはノンコート。
これはフードは必須だろう!ということで取り急ぎ28.5mmのかぶせフードを入手しました。
他の所有機はバヨネットで固定するタイプなのでかぶせで大丈夫なの?と思っていたが意外にシッカリと止まっている。
さて、いつもの公園で早速試写!
使用フィルムはKodak T-MAX100。
D850 + AF-S Nikkor 60mm F2.8にてデジタル化。
当時(3月中旬)はまだ梅の季節。
思った以上にキッチリ写るので驚きました。
絞りは9.5-11。
80年以上前のカメラでこれ。凄い。
鷹の目テッサーは伊達じゃない?
近接でもピントは大丈夫そう。絞りはF6.7くらい。
良いなぁ・・・何も不満が無い感じ。
空を撮ったにしては微妙な・・・と思ったら撮影メモには「失敗」の書いてありました。
そういえばカメラを持つときにシャッターレバーを触ってしまったのでした。
私の個体はだけかもしれませんが、レリーズのストロークが浅いのでレバーに指が当たって切れてしまう事が有るのです。
お陰で軽くシャッターが切れ、ブレにくいので気に入っています。
早咲きの桜も咲き始めていました。
F13まで絞っています。
ここまで絞れば左右の木もバッチリ。
上がってきたフィルムは心配していたコマ間は問題無し!
が、最後の12コマ目がフィルムの終わりの方になりすぎて、切れてしまいました。
恐らくコマ被りを警戒して、ちょっと細工をしたからなのですが・・・。
この方法で4本撮影、現像に出したので全部同じでした。
これから要研究です。
ローライフレックススタンダード
120フィルムを使う最初のタイプ。
レンズはテッサー、4.5/3.8/3.5の3種類得る模様。
このカメラは3.5の物なので1934年から1938年ごろの製造らしいです。
ということは80年以上前。
その間にあった第二次世界大戦も乗り越えて、今私の手にある・・・そう考えると感慨深いです。
そして今もちゃんと撮影できるのは本当に凄いですね。
基本操作方法はよくある古いレンズシャッター機のそれなので、特に問題無いく撮影出来ました。
この時代はフィルム送りとシャッターチャージは別。多重露光防止機構もないので油断していると二重写しになってしまいます。この辺はローライコードⅢと一緒。
フィルム巻き上げは既にレバー式。フィルム送りの検知やシャッターチャージを行っていないせいか、3.5F等とはまた違う滑らかな操作が楽しいです。
私にとって初めてだったのはフィルムのセット方法。
ローライコードⅢはスタートマーク式ですが、スタンダードは赤窓式。
フィルムの裏の1枚目表示がカメラ底部の赤窓に表示されるまで送り、カウンターを手動でリセットする必要があります。
特に難しいことではないのですが、慣れないうちは「1」の表示を見逃してしまいます。
この辺りはフィルムの送りにも影響してくるのですが・・・またいずれの機会とします。
そういえば、テッサータイプは結構使っているのですが、本家テッサーが付いたカメラを使うカメラを使うのは初めてでした。
私の所有している中でローライコードⅢのクセナー、ライカのエルマー、Ai Nikkor 45㎜ F2.8Pあたりがテッサータイプ。
どれも、癖があるわけでは無くいたって普通に写るのですが、不思議と心地よい描写に感じるのです。
このカメラも同じ印象を受けました。
勿論、条件によってはフレアも出ますし、後のローライフレックス3.5F程凄い写り!という感じでもないのですが、なんていうのかこれで十分、そんな感じがするカメラです。
失敗もしやすいですし、フィルム装填関連も一工夫いるのですが、そういうカメラの方が使っていて楽しいように思います。
とりおたさん、素敵なカメラを有難うございました。
*1:
私は2眼レフが好きです。
デジタル時代に入り久々にフィルムに戻ってきたのも、ローライコードⅢを入手したからでした。
中判カメラを使ってみようと思い、比較的手ごろな価格で、デザインも良いことから購入したのでした。レンズが固定式なのでレンズが欲しくなって困ることも無いだろう、とも。
さて、実際に使ってみると60年以上の前とは思えない写り。そして、中判で撮影したポジフィルムの美しさにもガッチリ心を掴まれてしまったのでした。
カメラとしてもそれまで使ってきた35㎜一眼レフとは違った独特なテンポがとても楽しく気に入りました。
となると、どうしても気になってくるのはローライフレックス。
「レンズが固定式なのでレンズが欲しくなって困ることも無い」???
甘かったです、2眼レフはカメラごと増えるのでした。
結局しばらくしてローライフレックス3.5Fを購入。
それでは止まらず、ベビーローライ、2.8C、そして今回のスタンダードへ。
撮っていて楽しいのですよね。
一眼レフ、ライカとはまた違った感じ。