今日もカメラと。

好きなカメラの事を、好きに書いています。

Hektor 50mm F2.5 Early (Short)がやって来た。~魅惑の初期型~

去年購入したHektor 5cm F2.5。

古いノンコート大口径レンズですが、思った以上にコントラストが高く、それでいて他のライカレンズとは傾向の違う写りがとても面白いレンズでした。

 

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その初期型、通称ショートヘクトールはまた違う写りをするという。

カメラ屋のスタッフさん曰く、”繊細な写り”。

私の持っている物はコントラストは高いものの、かなり絞り込まないと解像しない、"繊細"とはちょっと違うように思う。

ネットで見かけるヘクトール5cmの写真も様々。

個体差が大きいレンズでもあるので、私の個体だけでは何とも言えないですが、そんなの違うものなのか。

俄然気になってきました。

 

そんな中、縁あってショートヘクトール私の手元にやってきたのです。

 

ショートヘクトールはとても貴重なレンズ。

お気に利のお店でも在庫が有るところを見たことが無い代物です。

本来であれば入手には困難を極めるはずなのですが・・・。

いつも大変お世話になっているヘクトールさんがショートヘクトールを手放すかも?と仰っているのを耳にて、「もしも手放す時は放出先だけでも是非教えてください!」と無理にお願いしていたもの。

有り難い事に本当にお話をいただき、何とか購入まで漕ぎつけたのでした。

金銭的にもギリギリ行ける、タイミング。

もうちょっと早かったら無理でした。

八枚玉購入時になるべく持ち出しを抑制していて本当に良かった・・・。

有難うございます。大切にします!

 

 

 

 

Hektor 50mm F2.5 Early (Short)

 

ノンシリアルの半周型。

イカA型に装着されていたものを後にスクリューマウントレンズへ改造されたもの。

MLリングを介してM型で使うにも支障が無く有り難い仕様。

ヘクトールさん曰く、ショートヘクトールは全周タイプも存在するのですが、そちらはもともとC型用に作られたもの。距離計連動しない個体も有り、ショートヘクトールは半周タイプが良いとの事。*1

私が単独で探していたらそのあたり、まったく気にしていなかったな・・・。

シリアル番号が無いので製造年は不明ですが、ヘクトール付きのA型の製造は1930-32年くらいらしいので、90年以上前のレンズであることは間違い無さそう。

ニッケルメッキが美しい。

雰囲気が有ったDⅢとか欲しくなる。

ああ。

 

 

 

メートル仕様。

50㎜で目測は余りしないとはいえ、使い勝手は絶対にこちら。

 

センチメートル表記ではなくミリ表記。

改造された時期によるのかな。

 

鏡胴番号2番。

 

銘板脇の穴。

凄く細いので見ていて不安になりますが、ちゃんとつながっている。

結構ここがちぎれてい居るものも有るのよね。

 

当然ノンコート。独特のトロっとした感じ。

良いなぁ。

多少拭き傷は有るようですが、おそらく問題無いレベルでは無いかと。

 

無限ストッパーノブ。使い込まれた感じが良い。

 

格好い良いねぇ・・・。

 

初期型・後期型比較

新旧手元に有る状態なので折角なので見比べてみた。

長さ

長さ比較。左が後期型クローム、右が初期型。

流石”ショート”だけあって短い。レンズは短い方が好きなのよね。

 

レンズマウント側から

初期型

 

後期型 レンズが奥の方に。

 

被写体深度目盛

 

初期型 赤外指標有り

 

後期型 赤外指標無し

 

沈胴ロック爪

 

初期型

 

後期型

 

初期型の方が爪が薄い。

沈胴ロックの感触もちょっと違う。

また、後期型のNOOKY-HESUM(Ⅲb以降用)に初期型Hektorを装着した時には止まりがかなり浅く、取り扱いに気を遣う。

前期型のNOOKY-HESUM(Ⅲaまで用)はどうなんだろうか。

どこかに売っていないかしら。

 

 

良い図・・・。

 

自室が汚すぎて、毎度始めるまでの腰がとても重い、物撮り。

今回もなかなか取り掛かれませんでしたが、始めて見ると楽しいものですね。

D850とマクロレンズでパシャパシャ。

やはり携帯とは写りが違う。

極めようといろいろやっているうちにかなりのカットを撮ってしまいました。

身の回りの小物を撮ったりするのは好きなのです。

最近ご無沙汰ですが一眼レフもやっぱりいいなぁ。

 

試写

浅草

浅草に用事が有ったのでM11に装着して持ち出しました。

天気は晴天。さて、どうなるか。

 

フィルムモードはスタンダート、シャープネスを弱めにしています。

JPEGデータを縮小のみして投稿。



f:id:kei_arika:20240419025419j:image
M11 + ショートヘクトール

鏡胴が短いお陰でバランスは悪くない。

携帯で別日に撮影。

 

この日は基本絞り開放で撮影してみた。

特に記載が無い場合は開放と思っていただければ。

 

なんだか不思議な写り。

コントラストは低め?

左上に空があるのでフレアの可能性もあるのけど・・・。

 

露出アンダーになってしまったせいか、コントラストは低めみえる。

M11のAEは未だに使いこなせていない。

 

なんだろう、この写り。

青の出方がツボ。

ほわっとした感じなのは看板の反射が滲みになっているのか。

それともフレア?

嫌な感じではない。むしろ好き。

ロームヘクトールを買う前に想像していたような写り。

 

角度を変えるとまた違った雰囲気に。

右下のビルの過度に反射している光は滲んでいるので反射の滲みの影響だったのだろうか。

 

関係ないですがこの看板、なんだか好きです。

 

スカイツリーが良く見える橋の上から遠景描写の撮り比べ。

開放

 

F11

開放でも縮小すると案外普通に写っていると思う。

周辺減光が大きいけど、絞ると問題無いレベルなのではと。

 

中央部拡大

開放

 

F11くらい

 

流石に開放は緩いけど絞れば解像している。

開放でも所有のクロームの方よりもコントラストは低いもの解像はしているように思う。

新旧ヘクトールの撮り比べもいずれキッチリやってみたい。

 

 

 

隅田川

沢山船が出ていて驚いた。

液晶に捕らわれてアンダーに露出補正しすぎた。

液晶に頼りすぎてはダメね。

 

逆光気味でもこの程度ら大丈夫かな。

 

青の出方はM11との組み合わせ故も有るのだろうか。

なんだか好き。

 

 

 

 

休日の浅草はやたら混んでいて目的が済んだらすぐ退散。

浅草から歩いて入谷向かう。

 

 

水槽のフグ。

やっぱり青が印象的。

近接時のピントも問題なさそう。

ありがたい。

 

 

かっぱ橋付近

 

良い影。

 

開放でも中心部はちゃんと解像している感じがする。

デジタルとの相性も良いのだと思う。

 

 

 

中華料理店の壁。

半逆光でギラギラしていた印象でしたがシッカリと描写してくれた。

ふむ・・・。

 

入谷

好きなカメラ屋さんに立ち寄った帰り。

最寄り駅付近の交差点、なぜかここで撮影することが多い。

逆光なので、良く見ると左上にフレア。

これ位なら問題無いかと。

 

 

 

ここ、日が大分傾いたころに来る事が多いので、光の差し込み方が面白いのかもしれない。

影と光の当たった部分が同居していて、歩道橋も有るのでいろいろなアングルが狙える。

中心部はちゃんと写るけど、周辺は流石に流れるな。

 

おまけ。

夜のモクレンの花。

光源の辺りがかなり滲むのは古いレンズならでは、という気がする。

やはり近距離は開放でもかなり解像してくれるように思う。

この辺りは手元の後期型とは大分印象が違う。

あちらは解像はしないけどコントラスト高い感じ。

レンズのコンディションにも差が有りますし、そもそもHektor 50mmは個体差も多いと聞くので、なかなか一概には言えませんが。

所謂"オールドレンズ"っぽい写りであると思う。

依存しすぎてはいけないともうけど、使っていて楽しかったです。

ハマった時に美しさは現代のレンズでは再現できないだろうな。

 

次の日いつもの地元をうろうろしたのでその分は後日。

*1:全周タイプヘクトール

正確には全周型はC型用に作られたものなので距離計連動はしないようです。

ショートが欲しい場合は半周タイプが良いというのはこの辺りらしい。

ミラーレスで使う分にはどちらでも問題なし。

どうしてこうなっているのか凄く気になります。

改造サービスが開始された時期にもよるのでしょうか。

改造時期も不明なのでそのあたりはマックスベレクのみぞ知る、というところ。