今日もカメラと。

好きなカメラの事を、好きに書いています。

Herktor 5cm がやって来た。

またやってしまった。

以前より気になっていたHektor 5cmを買ってしまったのです。

某カメラ屋さんの新規入荷でとうとう捕捉してしまったのが運の尽き。

今まで、たまに登場しても即売れてしまい値段すら分からなかったレンズ。

しかも状態がかなり良さそうな個体。

先日書いた記事に

これまでの無茶が祟り資金的に厳しくなってきたので、これからはゆっくりと。

なんて書いていたのにこのざまである。

 

kei-arika.hatenablog.com

実際資金に余裕はない。

それなのにポチってしまうのだからなんとも、業が深い。

慌てて最近使用頻度が低くなっている機材をかき集めて売却。

なんとか最低限の持ち出しで確保したのでした。

Hektor 5cm F2.5

 

 

1933年製、クロームメッキモデル。

90年前のレンズです。当然ノンコート。

メッキがまだまだ綺麗でそんなに古いようには見えない。

 

 

 

形はエルマー5cmとほぼ一緒ですが、鏡胴が太く長い。前玉も大きい。

ちなみにエルマーはコーティング付き。

構成が違うのでなんとも言えないけど、前玉の光り方が全く違いますね。

透過率に影響してそうです。

 

 

 

M4に付けてみた。

ロームモデルなので、違和感なくフィット。

 

 

 

フードはフラッシュバックカメラさん謹製FB-10。

2021年4月にレンズがまだ無いのに買っていたもの。

エルマー用が凄くよかったので押さえておいたのですが、2年半越しに日の目を見る事に。

 

 

良き良き。

 

試写

 

さて、試写。

 

画像多めですがご容赦を。

まずはM11で撮影したものを。

 

まずはカメラ屋さんの店内で。

 

 

 

 

 

お店の試写画像でお馴染みの風景。

全て絞り開放。

等倍で見るとディティールは甘いものの、案外キッチリ写る。

M11のコントラストが高くシャープネスが効いた画像で補われていると思われますが、フィルムだとどうなるのだろうか。

 

 

 

 

 

たまたまお店にいらっしゃった平野監督の自転車を撮らせていただいた。

格好が良くてかなりの枚数撮ってしまった。

これも絞り開放だったはず。

周辺減光の影響も有るのだろうか、妙に立体感があるように思う。

黄太郎君(黄色いぬいぐるみ)の柔らかい光と程よいディティール描写もお気に入り。

近接描写は良い感じなのではなかろうか。

 

 

 

 

 

同じく開放で野外を。

ハイライトは滲んだ感じに写るみたい。

そして周辺減光万歳!

逆光でも案外ちゃんと写ってる

 

 

 

 

 

帰り道に寄り道しつつ試写。

日が落ちるのが早くなってますね。

この中で遠くのビルの写真がどうしてもシャープに写らなかったのが気になる。

コントラストかつ、遠景だとM11の画像処理が効きにくいのか。

微妙に手振れしていた可能性も有りますが素に近い描写なのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

夜戦。

 

都心部と違い光量が少ないので絞り開放F2.5でもかなり感度が上がってしまう。

普段はノクチルクスの出番。

M11は決して高感度が強いわけでは無いので、かなりノイズが。

ノクチルクスの明るさに助けられていたことが分かる。

でも、ボケ過ぎないので良い感じね。

決して解像バリバリではないのだけど、引いてみるとなんだか良いというか。

 

 

 

 

近所の小金井公園ユリノキの紅葉が綺麗なので見に行った。

何故か開放ばかりで撮っている。

驚いたのがユリノキの紅葉が良い感じに写ること。

M11の発色とHektorの発色が有っているのでしょう。

特に開放で撮るとイメージに近い仕上がりになった。

ただ周辺は思いっきり流れるので、この使い方は通常はNG。

2枚目、3枚目は夕日を浴びた感じが良く出ている気がする。

ハイライトの滲みも良い風に作用しているかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

日が落ちて。

デジタルで力押し。

周辺減光が大きい為か良い感じに。

低照度、かつフラットな環境だと落ち着いた写り。

 

 

 

 

強烈な光が差し込む駅のホーム。

しっかりコントラストが出る。

やはり中近距離は思ったよりちゃんと写る。

良いなぁ。

 

 

 

 

電車に乗って多摩川へ。

この辺りも開放。

楽しかったのでつい。

開放が楽しいレンズというと私の中でズミルクス35㎜ 2ndなのですが、こちらは傾向が違って楽しいです。

言葉にするのは難しいのですが、ズミルクスはほわほわの中に繊細な線があって良く見ると解像しているのですが、ヘクトール5cmは線がなくて等倍で見てしまうと甘い。

でも、引いてみると凄く良いのですよね。

 

 

ド逆光を開放で。

流石にフレアが。

この出方は西日を感じて嫌いじゃないです。

 

 

絞ればシャキッとするのでは?と思いましたが、かえって派手に出てしまいました。

絞りの形にはっきり出てしまう。

F8位だったはず。

レンズについている埃とおほしき影までバッチリ出ている。

これはちょっと気になるかなぁ。

あえて開放で使った方が良い気もしますが、フィルム機だと開放で撮影できるシチュエーションが限られるのが難しいところ。

 

なんとも良い。

これもフレアが出ているようだけど、夕方の光を感じれて凄く好き。

 

気づくと開放ばかりで撮ってしまっていましたが、特に中・近距離描写が良い感じに。

遠景は中心部でもディティールがかなり甘くなる印象。

元祖ハイスピードレンズということで、室内等中近距離での使用を想定していたのでしょうか。

手持ちのエルマー系はそつなく写る感じだったので意外でした。

このあたりはライカの小さいネガから大きなプリントという思想から考えると矛盾している気がして気になります。

ただ、はまるとちゃんと写るのでなにか条件が有るのか・・・。

絞っても妙にピントがシビアな気もします。

これが個体差なのか、こういうものなのか。ネットで見ていてもさっぱりわからないので実際に試すしか無いのでしょうが・・・。

なかなかの難物です。

 

巷で言われているほど滲みが多くなかったのが意外でした。

もっとほわほわなレンズかと。

この辺りはレンズの状態も影響しているのでしょうか。

M11の描写はかなり発色が派手目でシャープネスが効いているのでこのレンズとの相性は良いのかもしれません。

この辺りの補正が無いフィルムだとどうなるか気になる所です。

 

既に何本か試写しているので、そのうち投稿しようと思います。

長々とお付き合い有難うございました!