今日もカメラと。

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Hektor 5cm F2.5で撮る秋②

引き続きHektor 5cmについてです。

 

kei-arika.hatenablog.com

 

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いままで使ってきたレンズとは特性が大分違うレンズなので、重点運用中。

 

 

Hektor 5cmと散歩。

晴れた日に神代植物公園へ行ってきました。

今回もHektor 5cmF2.5を持ち出しました。

ボディはⅢf、フィルムはKodak Gold200。

本来はモノクロ時代のレンズなのでモノクロにしようかとも思いましたが、

紅葉の綺麗な時期。カラーでないと後悔しそうな気もしたので・・・。

今回はできるだけ絞る方針で。

 

駐車場のイチョウの木。

早速F11で。

いい天気なので1/200が切れて助かった。

ここまで絞ると周辺もしっかりしてくる。

 

中心部を切り出してみた。

シャープというわけでは無いけどこれなら柔らかい描写で済む範疇かなと。

 

光が綺麗な日。

露出判断を誤りアンダーにになってしまったのが残念。

 

メタセコイアの林。神代植物公園のお気に入りの場所。

秋の渋い色がとても好き。

これも絞っているのでちゃんと写った。

遠景を撮りたい時は思い切って絞ると良いみたい。

 

メタセコイアの林脇の池。

風も弱く写りこみが素敵でした。

こちらは絞り開放。

拡大しない状態ではコントラストも高くて問題なく写っているように見える。

スキャナの能力も有るのだろうけど、90年前のレンズの描写には見えませんね。

 

中心部分を切り出し。

甘々です。

今まで使ってきたレンズとは全く違った傾向。

あまりホワホワはしないけど、細部がハッキリ見えず甘い。

でも、悪い感じてはない。絵画的ってこういう描写かなと思った。

 

 

F8くらい

 

F8か11

これはかなりクッキリ撮影できた。

 

拡大してもかなり頑張っている。

これを見ると甘いのはピントボケが悪さをしている可能性も捨てきれないのですよね。

絞ってもピントがすごくシビアに感じるのです。

 

 

 

 

端のほうにあるシマサルスベリ。

丁度見ごろだった。

ここもお気に入り。

 

F11。

良い感じじゃないでしょうか。

 

 

いい色。良い時期に来られたな。

 

落ち葉も好き。

逆光気味だけど問題なく写るのは、この個体の強みみたいです。

 

黄色、赤の葉っぱを撮るとほんといい感じ。

 

カエデ園。

確か開放。

 

同開放。

開放・近距離の描写は好き。

甘いけど。

曇天のときにモノクロで試したいな。

 

再びメタセコイアの林。

今度は中から。

透過光が美しいのです。

 

ここは広角を持ち出したくなりました。

 

 

またまた池。

雲が出てきていてそれが水面に映り込んで美しかった。

なんだか好きで何カットも撮影してしまいました。

睡蓮が浮かんでいるのだけでも好きなのよね。

余談ですが、撮影している人の多くがローアングルで写りこみを狙っていた。

カメラ持っている人だけでなく、スマホの人も。

SNSとかで流行っているからかそういうノウハウって広まってるんだなと。

 

 

 

 

悩ましいレンズ。

まだまだ判断に悩むレンズです。

身も蓋もない言い方をすると、現在のところの印象はよく"写らない"レンズ。

決して絞り開放は強烈にクセがあるわけではないものの、とにかく甘い。絞ってもバリバリよく写るようになるわけではない。

今まで使ってきたライカレンズは絞れば少なくとも中心部はキッチリと写るようになる印象だったのでかなり意外でした。

ただし、ハマったときの絵はかなり良いのです。

特に中・近距離。

妙に立体感が有るというか。階調の表現が良いのでしょうか。

残念ながら私には表現できないのですが・・・。

 

さて、この”写らない”をどうとらえるか。

  1. 上手く撮影出来ていない。(ピンボケ・ブレ)
  2. 仕様。そんなもの。
  3. 個体差

大前提として1を潰さないと話にならないわけです。

よく考えてみると、普段私がメインに使っているのは35mm。

50㎜クラスは特定条件時に出番があるくらいです。

特にピントに関してはまだまだ完全に安定しているとはいえず、ノクチや90㎜クラス程気を付けて撮影していたわけでは有りません。

また、ボディ側の精度が出ていないという可能性も有るわけで本当に難しい・・・。

 

取りあえずはちゃんと撮れているとして2か3かという話に。

ネットでいろいろ他の方の作例を漁っていますが、細かい話なのでネットの画像だけでは判断できるものでは無いみたいです。

こういう場合は案外先人の評判からニュアンスをくみ取るのが案外良いので、手持ちの本を漁ってみた。

 

開放では、やや柔らかいものの破綻するほどでは無いため、最短撮影距離付近でのポートレートでは優しい写りとなる。絞るにつれて解像度は上がるが、ヘクトール独自の写りは、やはり開放付近であろう。

※ ライカレンズ完全ブック 田村彰英+10

 

柔らかい描写をするのはF5.6~F6.3あたりまでで、それ以降はやや線の細い描写になっていく。ヘクトールはF5.6位でエルマーの絞り開放のシャープネスを持つに至る、と言ってよいかもしれない。

※ クラシックレンズ実写大図鑑  日沖宗弘

 

とりあえず発掘出来た本からは上記のような表現が見られた。

私の印象とも合致している。やはり解像を求めるレンズではなさそう?

 

ヘクトールに関しては以前カメラ屋さんで初期型の短鏡胴のもの(所謂ショートヘクトール)と普通のもでは描写が違い、前者は繊細なをすると聞いた事が有る。

逆に普通の物はどうなんだろう、と当時思った。(私の個体は普通の鏡胴の物)

今私が見聞きした話だと案外こういうレンズなのかも知れません。

ただ、本などに記載されているレンズの仕様は不明。

これ以上は実際に自分で何本も使ってみるしかないのでしょうが、いろいろな意味で大変なことです。

これを突き詰めだすとまた一歩おかしな道に行ってしまう気が。

資金が無限にあればねぇ・・・。

 

まあ、90年前の大口径レンズにあまり多くを求めてはいけないのかもしれませんが、

もうしばらく悩む事になりそうです。

今度はモノクロを重点的に撮ってみようかな。