今日もカメラと。

好きなカメラの事を、好きに書いています。

Ai Noct Nikkor 58㎜ F1.2S ~ 遠い夜を追いかけて ~

いつかは欲しい。

そう思っている機材は沢山あります。

大抵入手困難だったり、高価だったり、またはその両方でなかなか手がでない、踏み切れなかったりするのです。

資金的には購入が不可能ではなくても、こんな高価なものに手を出してしまってよいのだろうか・・・そんな意識がブレーキをかける、そんな感じです。

 

Noct Nikkorはそんなレンズの筆頭といっていい存在でした。

 

 

2023/1/4:試写画像がちゃんと大きく表示できるようにしました。

憧れのレンズ。

夜想曲、Nocturneから撮ったとされる”Noct”を冠するレンズ。

その名前だけでなんだかすごいレンズに感じます。

 

www.nikon-image.com

 

このレンズの最大のポイントは研削非球面レンズを採用している事。

高精度に非球面の製作ができる反面、その製作には熟練した研磨技能者の技が必要で、数量、コストの面では大変なものであった。

加えて精度の厳しいレンズには精度の高い検査が必要である。

 

ロマンの塊です。

 

大口径レンズ好きなので一度は手を出してみたいレンズでした。

しかし私がフィルムカメラが本当の意味でメインで、Nikon F3を主軸として使っていた時には、既にディスコン

価格も高騰し、とてもじゃないですが手を出せるレンズでは有りませんでした。

それから20年。

途中デジタルに移行し、興味が新鋭のAF-S大口径レンズの方に行ってしまったりしているうちに、気づくと値段はさらに高騰。当時の倍以上の値段になってしまいました。

 

このままでは、本当に手にすることはできなくなりそう。

そういう風に感じるようになってきました。

 

運良く良さそうな物件は有りました。

外装は少し傷んでいるけど、整備済み・レンズは綺麗。

値段は最近見かける中ではお手頃な方。

最悪、売っても最低限のマイナスで済みそうだし・・・行っていいのでは?

それでようやく本気で考えだしたのでした。

 

とはいえ、ここ数年のライカ暴走で資金的余裕は無し。

手持ちの使わないレンズを売り、なんとか持ち出しなしで購入することが出来ました。

 

Ai Nikkor 58mm F1.2S

 

 

デザイン的には既に持っているAi Nikkor 50mm F1.2Sとほぼ一緒。

ぱっと見分からない。

 

折角なのでうちのF1.2級Nikkorと並べてみました。

 

背景が酷いな・・・。

 

左からNikkorSC Auto 55㎜ F1.2、Ai Nikkor 50mm F1.2S、Ai Nikkor 58mm F1.2S。

サイズ的にはAi 50mmより一回り大きく、Nikkor Autoと一緒くらい。

 

Noct Nikkorを意識して作られたといわれるAF-S Nikkor 58mm F1.4Gとも比べてみました。

 

 

AF-Sに比べてかなりコンパクト。

でも重量はNoctの方が重いのです。

 


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大柄なD850と組み合わせると凄くコンパクトに見えます。

本来はF3Pあたりと組み合わせて使いたいところですが、とりあえずはこの組み合わせで試写してみたのでした。

 

試写

取りあえずはいつもの場所に連れ出してみました。

ボディはD850、ピクチャーコントロールニュートラルをベースにシャープネスとノイズリダクションを切っています。すべて絞り開放です。

 

まずは曇りの小金井公園

他のF1.2クラスのレンズの開放で撮ると物憂げになって好きな条件ですが果たして。

 

 

 

おお、結構普通に撮れる?

 

 

 

なんか透明感がある感じ。

Ai 50mm F1.2やNikkor Auto 55mm F1.2だとぼやっとくすんだ感じになる。

Noctも拡大すると結構ボヤっとしているのですが、コントラストが高いのか発色が良いのか。

 

一応Ai Nikkor 50mm F1.2Sも持ってきていたのでちょっとだけですが比較してみました。

Ai Nikkor 50mm F1.2S

 

Ai Noct Nikkor 58mm F1.2S

 

雰囲気の違いはこれが分かりやすいように思う。

Noctの方が透明感が有って周辺減光も少ないのです。

色味も50㎜は開放だと青っぽくなるのですが、Noctは割と自然な色です。

Nikkor Auto 55mmだともっと顕著に差が出ると思います。*1

開放でもちゃんと写ってくれるレンズですね。

ただ、上に書いた”物憂げ”に撮りたい場合は向いていないように思います。

このカットも雰囲気は50㎜の方が好きです。

 

 

もう1カット。

Ai Nikkor 50mm F1.2S

 

Ai Noct Nikkor 58mm F1.2S

 

こちらはNoctがうまくはまった感じ。

ユリノキの葉の色がちゃんと出て、電灯に照らされた透明感も出ています。

正攻法で行きたい場合は凄く強そう。

同じようなスペックでも性格が違って面白いですね。

いつか比較してみても面白いだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

寒くなってきてピリッとした感じが

条件によってはボケがざわつきますね。

 

神代植物公園

 

 

お気に入りその1。

入園前に酔った蕎麦屋の池。

良いな、この描写。

 

 

 

 

 

 

 

うっすらほわっとしているのだけど澄んだ感じ。

こういう微妙な色が命の被写体には最適かな。

ボケも悪くはない。条件次第?

 

 

 

 

これもお気に入り。

逆光で輝いて見えたバラの雰囲気がしっかり出たと思う。

 

 

 

 

 

 

開放から凄くちゃんと写る。

非球面の威力でしょうか。

ただ、遠距離撮影で絞った時は周辺が結構絞らないとシャキッとしない感じが。

絞って撮るならAi 50mmの方が良いような気がします。

”Noct”の名前が付くだけあって開放で暗いところを開放で撮るためのレンズなのでしょう。

まだ簡単に撮影しただけですが、そう感じます。

 

 

しかし、見返してみると中近距離の写真ばかりだ・・・。

58㎜の狭めの画角と一眼レフだと寄れるので寄って行ってしまうのだと思います。

 

次はフィルムで夜景を狙ってみたいですね。

今度は遠距離もとらないと!

 

最後に。

前回の記事からもうすぐ2か月。

書きかけの記事は何本か有るのですが、物撮りする気力がわかずに止まってしまって居ます。

なんとか、今年中にもう一回更新したい。

と言う分けで直近で買ったレンズの勢いでなんとか仕上げました。

いつも以上に文章がうまくまとまらなかったので読みにくいことも有るかもしれません。

読んでいただいて本当にありがとうございます。

 

来年はもう少し撮影記事を増やしたいな。

お暇な時にまた覗いてもらえると嬉しいです。

後僅かでも良いお年を。

*1:Nikkor Auto 55mmで撮った記事はこれ。

 

kei-arika.hatenablog.com

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両方ともフィルムでの撮影ですが、感じは伝わるでしょうか。